
両親と白髪岳
家族で山なんて、いつぶりだろう。
母は、朝からはしゃいだ様子でお弁当をつくり、父は山を歩きながら、赤子だったわたしをおぶって初めて山に登った話や、いまは亡き祖父と山の思い出を語り。
父は山が好きで、わたしは幼い頃から、父に連れられてよく山を歩いたものだ。昔は嫌々だったけれど、いまは、両親とまたこうして歩けることが、なんだか愛おしい。
雲ひとつない秋晴れで、吹き抜ける山の風が心地よく、木漏れ日が美しくて、祝福されている気分。
いまという時間は、いましかなくて、いまある、いまという奇跡を、一瞬一瞬しっかり味わっていきたい。
両親と歩いた今日この日も一生忘れられない時間のひとつとなるのだろうな。