心の光を信じる
満月の日の夜、月を眺めた。
ちょうど、月食の日。
空を見あげると、重たい雲がかかっていて、雲が流れていくことを願った。
しばらくすると、光がさして、ぼんやりと月が表れて、思わず、わぁ!と声をあげた。
なんとも幻想的なその光像は、地球の影が投影されて結ばれてるんだなぁ。月のどこかに、わたしの影もあるのかしら。
夕食を終えてから、今度は海辺にでて空を見上げた。また重たい雲がかかっていて、月がみえたり、隠れたり。
わたしの心みたいだ。
光がみえた!と思ったら、また隠れて。見えなくなって。
重たい雲をちょっぴり疎ましく思って、流れていくことを願った。
しばらくすると、雲がスカッと晴れて、満月がまんまんまの姿を見せてくれた。月明かりで海がキラキラして。まわりの景色まではっきりとみえた。
その美しさに、ため息がでた。
ありがとう。
感謝の気持ちに溢れた。
・
そして、ふと、月はずっとそこにあったことに気づいた。
見えるときも、見えないときも、ずっとそこで光を放っていたことに。
また重たい雲がかかっても、わたしは、慌てるのとなく、穏やかに、そこにある月を信じていられるだろうか。
目にみえる光が途絶えたとき、確かにある見えない光を信じて、歩みを進めていけるだろうか。
心で光をみて。
うつり変わるものに揺さぶられず、歩みを進めて。
大丈夫だから。
そんな言葉を受けとった気がした。