繋がり、広がる、アンドレとの出逢い(ヨガヒストリー vol.12)
いまのわたしのヨガのスタイルは、アンドレの影響がもっとも大きいと言えます。
ヨガを伝えはじめ、試行錯誤していた頃に出逢ったアンドレ。
なぜこれほどまでヨガに魅了され、突き進んできたのか、その理由が、アンドレとの練習を通じてみえてくるようになりました。点と点が繋がりだして、ヨガを通じて内なる探求を続けていく覚悟も芽生えてきました。
◼︎前回までのお話◼︎
どんなヨガの先生だって、はじめてヨガを伝えた日があって、きっとドキドキだったはず。 わたしの第一歩も、ドキドキでした! 今回は、ダーマヨガティーチャートレーニングを終えてから、わたしがクラスを持つまでの話を綴ってみたいと思います。 ◼︎前回までのお話◼...
◾️アンドレ先生との出逢い
Sri Andrei Ram(アンドレ・ラム師、アンドレ)は、世界的に強い影響力をもつヨガマスターのひとりです。
Sri Dharma Mittra(ダーマ先生)の愛弟子としても知られており、長年ダーマ先生のもとで、ヨガの修練を積み重ね、ダーマ先生の代行を任される唯一のマスターインストラクターとして、NYのダーマヨガセンターを支えてきた人物でもあります。
アンドレは、出身地コロンビアにおいて、独学で瞑想、ヨガを習得したのち、渡米。ダーマ先生との運命的な出逢いによって、彼の人生が一変します。2010年までの約7年間、生活の大部分をダーマ先生とともに過ごし、カルマヨギとして献身的に仕えました。
2007年と2008年、日本で開催されたダーマヨガのティーチャートレーニングでは、ダーマ先生とともに来日し、その多くの時間をアンドレが講師として指導をしました。
日本でダーマヨガのトレーニングを受けた人にとっては、アンドレの影響は大きく、また、アンドレも日本に特別なものを感じているようで、日本との繋がりをとても大切にしています。
2011年にダーマ先生のもとを離れてからは、世界中のヨガの実践者に向けて、伝統に基づくヨガの科学を現代に適応させ、ヨガを生活の中に確立していく道を教えてまわっています。
ヨガの流派や技法を超えて、「私たち一人一人も母なる大自然の一部である」という高次の意識の目覚め・真の自己への気づき(Self-Realization)をもたらすことを使命としています。
わたしが初めてアンドレと、通訳の玉手みどりさん(みどちゃん)に出逢ったのは、2018年の秋、spaceわにで開催されたワークショップでした。
初対面にも関わらず、昔からよく知るひとに再会したような感覚を抱いたのが印象的。
ダフネの通訳をする際に、みどちゃんが通訳するアンドレのトレーニングの音源を何度も繰り返し聞いていたからでしょうか。
馴染みのある声とガイド、ダーマ先生仕込みの世界観に、一気に引き込まれ、懐かしさすら感じたのを覚えています。
その頃、アンドレは、満を持して、自らのティーチャートレーニングを行なうことを決め、その準備をしていました。
20年以上積み重ねてきた、ヨガの修練の結晶を、後世に伝承していくことを決意し、その主な開催地に日本を選んだのです。
アンドレは、日本人のヨガ実践者にヨガを伝えるとともに、世界各国にいるヨガ実践者たちに、日本の魂(スピリット)や、日本人の謙虚で真摯な姿勢を肌身で感じ、互いに学び合う機会にもしたいと考えていました。
わたしは、ぬんさんと共に、日本で開催されるトレーニングのオーガナイズをすることになり、アンドレが構想している内容を具現化するお手伝いと、海外から参加する人たちの窓口とサポートをすることになりました。
◾ 深い学びと気づきのトレーニング
アンドレの200時間のティーチャートレーニング(200hrs Breath Based Hata-Yoga Teacher Training Immersion)は、2019年の初夏、高野山で開催されました。
約40名の参加者のうち、半数以上が海外から。日本の聖地高野山で、世界各国から集まるヨガ実践者たちと切磋琢磨する、とても熱量の高いトレーニングでした。
わたしにとっては、深い学びと気づきの連続!
経験の浅さや、言葉の壁によって、理解しきれていなかったヨガの奥深い世界。
魅了され、導かれたその源泉にあるものは何か。ヨガの修練の先にあるものは何なのか。通訳のみどちゃんの助けもあって、ぼんやりとしていたものが少しずつ晴れ、肚に落ち、からだに刻まれていきました。
そのすべてを受けとりたくて、全神経を集中させて、トレーニングに没頭。ほんとうに、濃密な時間でした。
アンドレは、ダーマ先生から受け継いだ、ヨガの伝統をベースに、アンドレ自身の修練・経験・個性から、ヨガを面白く、深く、分かりやすく、情熱的に伝えてくれます。
ヨガを伝えはじめたばかりのわたしには、その時抱えていた不安や葛藤やジレンマに、目線を合わて言葉を届けてくれて、涙がポロポロと溢れました。
また、アンドレの伝えるヨガは、母国であるコロンビアの伝統的なシャーマニズムと融合させた、サイキックで、スピリチュアルな側面も併せもち、ヨガの流派や技法を超えた、高次の意識の目覚め、真の自己への気づきをもたらすことを目指します。
この世界の成立ちや、ひとの内がわの意識や、心や、エネルギーなど、より高い次元でものごとをみていく、きっかけを与えてくれました。
そんなアンドレですが、その素顔は、先生然としたところが全くない、やんちゃで、気さくで、優しい兄貴です。
アンドレは、ヨガの師弟関係は、親友であり、家族なんだと言います。関係性をとても大切にし、いつも兄妹のように気にかけてくれています。
血の繋がりだけが家族ではありません。心で繋がるスピリチュアル・ファミリーも、この人生を共に探求していく、家族なんだと思います。
■ 集う場を繋ぐ、架け橋としてのお役目
感染症の流行によって、世界中ですべての物事が一時停止している昨今、アンドレもまた世界各国でヨガをシェアすることが制限される状況に置かれました。
つぎのステージとして、2020年10月に開催準備を進めていた、アンドレの500時間のティーチャートレーニングも延期となり、いまもなお開催ができていません。
そんななか、2020年6月には、ぬんさん、みどちゃんと共に、コロンビアにいるアンドレと日本を繋ぐサットサンガ(お話し会)をウェブ(FB, Instagram)にて開催し、2000人を超えるひとがライブで参加してくださいました。
アンドレは、この厳しい状況から、人類が与えられている多くの教訓や、これから創造していく世界について語り、日本のヨガの実践者達に向けてエールを届けてくれました。
日本を大切に想ってくれているアンドレは、再び日本で、みんなと顔を合わせ、ヨガの修練を深め、人生の喜びを分かち合うことを心待ちにしています。
また、海外のアンドレの教え子たちも、日本でのトレーニングに関心を寄せて、メッセージを送ってくれます。
わたしも、心で繋がるスピリチュアル・ファミリーとの再会を楽しみに、そして、その架け橋として、みんなが集う場を再びつくっていけるように、強い意思と情熱をもって、祈りを捧げています。
愛するひと達と、自由に、安心して、顔を合わせ、息を合わせて、生きる喜びを分ち合うことのできる、穏やかで平和な世界が広がりますように。
そんな願いを込めて。
◼︎アンドレ・ラム・サットサンガの要約(2020年6月)